東京ルミナスピラー
次の瞬間、王我の拳が煌我に叩き込まれた。


「うおおおおおっ! くたばれ! 群狼百裂拳!」


それも、一発ではなく、凄まじいまでの連撃。


弾力がなく、岩のように固まってしまった煌我の身体が、みるみる削られて行く。


PBTの力によって巨大に盛り上がった肉体は、王我の連撃によって粉砕され、最後の一撃が胸に直撃して身体が粉々に砕け散った。


だが、首だけは地面に落下し、恐怖に引き攣った顔を王我に向けて。


「あの野郎……美味しいとこだけ持って行きやがった!」


「ろくに戦ってもないのにマジで最低」


宗司も夕蘭も、この行為にはドン引きといった様子で、勝ち誇る王我を見ていることしか出来ないでいる。


「テメェがいつも俺を見下していたように、今度は俺が見下してやる。どうだ? バカにしていた兄弟に見下される気分はよ。俺には全然わかんねぇから、教えてくれよ」


ここぞとばかりに煌我を煽りまくる王我。


性格が終わってるのは知っているけど、まさかここまでだったとは。


「津堂。お前ももう、何も出来ないみたいだな。このまま大人しく捕まれ」


俺がそう言うと、津堂は苦痛に満ちた顔を俺に向けて来た。
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