東京ルミナスピラー
「おい、あれはなんだ! いつまでああやって浮かせているつもりだ! さっさとぶつけてしまえ!」


巨大な炎の槍を指差して秋本が急かすが、名鳥は首を横に振った。


「いや、ダメなんだよ。落下するイメージがないらしくてね。それを追加するにもまだ時間がかかるようなんだ」


「……良くわからんが、だったら直接あの槍を掴んで投げ付ければ良い」


さも当然のように秋本が言ったが、美空は不機嫌そうに反論した。


「あのねぇ! あの炎の塊が何℃あるかわかってるの!? 掴めなくはないけど、あんなの掴んじゃったら大変なことになるんだからね!?」


その猛抗議にも、秋本は全く動じずにハルベルトを取り出して。


「掴めるということは、武器を使って押し出すことも出来るだろう。高熱だろうがなんだろうが知ったことか。自分の子供が命を賭して戦ってるんだ。親の俺達が命を賭けないでどうする。なあ、名鳥よ」


「はは……俺を巻き込まないでほしかったけど……違いない。若者ばかりに任せてないで、老人もまだ戦えるってところを見せてやろうかね」


名鳥が秋本に拳を突き付けると、秋本はニヤリと笑って拳を合わせた。


「じゃあ、俺が着弾地点を切り開きますよ。確実に貫くなら、ダメージがある場所の方が良いでしょ?」


秋本と同じように、炎の槍の件で来たのだろう。


昴がビルの上に飛び乗って、事情を把握しているようにそう答えた。
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