東京ルミナスピラー
それが目印だと言わんばかりに、拓真が上空を見上げて笑って見せる。


「俺に会わせろ舞桜! 紫電一閃!」


「わかった。疾風迅雷!」


追い求めた英雄の影響か、それとも元々その素養があったのか、舞桜の野太刀が雷撃を纏う。


昴の鞘から引き抜かれた日本刀も雷撃を纏い、舞桜と共にフェンリルの背中へと落下して。


二人の刃が交差し、拓真が切り開いたフェンリルの背中にさらに大きく、深い傷を付けたのだ。


「ギャウウウウウウウウン!」


どれだけ攻撃を受けても、これほど苦しそうな悲鳴を上げなかったフェンリルが、初めて苦痛の声を上げた。


「効いてる! これならあの炎の槍も通るはず! 後は任せましたよ、名鳥さん、秋本さん!」


「大丈夫だ昴。あの二人は葵と宗司の親父達なんだぜ? 子供達が命張ってんだ、当然あの人達も命を張って期待に応えてくれる」


炎の槍の着弾地点で空を見上げた昴達。


そして想いを託された名鳥と秋本は、その上空で炎の槍に迫っていた。


「あつっ! あっつ! 固まってんのにこの熱量、本当に大丈夫なのかよ!」


「危なくなったら回復しろ! 炎の槍に武器を突き刺して、タイミングを合わせて投げるぞ! 今雷が落ちた場所が恐らく目標地点だ!」
< 1,344 / 1,486 >

この作品をシェア

pagetop