東京ルミナスピラー
炎の槍を挟み込むように空中を移動し、回り込んだ秋本に、名鳥は呆れたように笑って見せた。


「やれやれ。空中をこうも簡単に移動するかね。なんて言ってられないか。集中しないと俺が消し炭になっちまうよ」


個体に変質した炎に、名鳥は槍を、秋本はハルベルトを突き刺して下に向かって投げ付ける。


一見単純な作業のように思えるが、近付くだけでも皮膚が焦げてしまいそうなほどの熱量を放っていて、回復をしながらでなければ、あっという間に身体が動かなくなってしまいそうだった。


そんな中で名鳥は炎の槍に接近し、手にした槍を突き刺したのだ。


同時に反対側から何かが突き刺さったような衝撃を手に感じる。


「ぬおおおおおおっ! 刺したばかりだってのに、早くも手が焼肉になっちまいそうだ!」


「行くぞ名鳥! タイミングは任せる!」


「そんな大役を譲ってもらって悪いね。じゃあ行くぜ! 必殺! インフェルノ……スマッシュ!」


PBSを開き、回復をしながら槍を地上のフェンリルに向けて投げ付けた。


不思議と名鳥と秋本の呼吸がピタリと合い、巨大な炎の槍が一直線に、とてつもない速度でフェンリルを貫いたのだ。
< 1,345 / 1,486 >

この作品をシェア

pagetop