東京ルミナスピラー
〜グラウンド〜


「ぎゃああああああっ! 何だ! 何がどうなってるんだ!? 早く! 早く俺を殺してくれえええええっ!」


日本刀を振り抜いた俺は、その光景に目を見開いていた。


津堂の首を刎ねた……はずなのに、首に赤いラインが入っただけで殺せていなかったのだ。


「い、いや……手応えはあった。なのにどうして」


「北条! なんでもいい! 俺を殺せ! 激痛で気が狂いそうだ!」


あまりにも取り乱して懇願する津堂に気圧されて、少し怖くなった俺は縦に真っ二つに津堂を斬り捨てた。


……はずだったのに。


今度は頭のてっぺんから股にかけて赤いラインが入って、津堂の顔がますます鬼気迫る表情へと変化したのだ。


「ひぎゃあああああっ! い、一体どうなってしまったんだ俺の身体は! 痛い! 痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い! 早く殺してくれえええええっ!」


俺は……俺達はどうすることも出来ずに、その光景をただ眺めていることしか出来なかった。


地面をのたうち回り、無様に懇願する津堂を、首だけになった煌我がニタリと笑った。
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