東京ルミナスピラー
「ハハハ! 北条葵、お前は見ただろう? 北軍浄化会の是松が、PBSのバグによって元の姿に戻ったのを! 俺もそうだ! PBTで改造された身体が、PBTが破壊されることで狂い、首だけになっても死ねなくなっている。津堂もそうだろう。回復の途中でPBTを破壊されたことにより、回復が止まったままになったのだろう」


「つ、つまり……津堂は回復をし続けとるっちゅうことか? でも、PBTが壊れて、回復が停滞したまま……痛みが消えんままで今の状態を保ち続ける……」


大和さんが尋ねると、煌我はニヤニヤと笑ったまま。


「てことはよ、もう津堂も煌我もここまでってことか。俺達の勝ちってことだよな?」


「ああ、そうや。これ以上やる必要ももうな……」


宗司の問いに、大和さんが答えようとした時、それは起こった。


爆音とともに揺れた地面と大気。


それが何を意味しているのか、瞬時に理解した俺はバベルの塔を見た。


天高くそびえる塔は、見た目にはあまり変わっていないように思える。


だが、今「扉」が開いたんだと俺は確信した。


「ぐうううぅっ! 痛い痛い! 痛くて気が狂いそうだ! だが俺はお前らなんかには捕まらんぞ! 絶対に!」


その声に振り返ると、津堂が目から鼻から口から、汁という汁を垂れ流しながら立っていて、苦痛に身悶えながら学校の方へと走って行った。
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