東京ルミナスピラー
「あ、待ちやがれこの!」


「もうええ、放っとけ。腕もない、武器も取り出せん。そして永遠に死なん。津堂がこれ以上、何か出来るとはワシにはとても思えん」


後を追い掛けようとした宗司を止めた大和さん。


なんだか呆気ない幕切れだったけど、命を弄び続けた津堂と煌我には相応しい最後だったかもしれないな。


「んで、首だけの煌我はどうすんだ? 丁度グラウンドだからよ、こいつでサッカーでもすっか?」


「お前……自分と同じ顔の兄弟をよく蹴ろうって思う気になるよな。俺はちょっと信じられねぇわ。お前も大概サイコパスだぜ」


確かに、俺達だけではもしかしたら煌我をこんな姿にすることは出来なかったかもしれない。


溜まりに溜まった恨みというか、鬱憤が王我の怒りを爆発させたのだろう。


「首だけで喋るとは不気味なやつやな。まあ、処分は後で考えるわ。どうやらあの化け狼の方も片付いたみたいやし。流石は歴戦の勇士ってか」


煌我の頭髪を掴み、持ち上げた大和さんが、フェンリルと戦っていた人達の方を見た時だった。


「ぎょえええええっ! やめろ! やめろやめろ! うっぎゃあああああああっ!」


校舎の方に逃げた津堂が、鬼達に掴まれながらグラウンドに出てきたのだ。
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