東京ルミナスピラー
しばらくして、フェンリルと戦っていた結城さんや父さん達がこちらに次々とやって来た。


気絶している津堂と、首だけになった煌我を見て、こちらも戦いが終わったのだと理解してくれたようだ。


「いやはや何ともね。殺すんじゃなくて捕まえろって話だったけど、これはなかなかに残酷な結末だねぇ」


父さんが顔を歪めて首を横に振るが、これが精一杯だったと言うか、成り行きでこうなってしまったからどうしようもない。


「津堂は……どうなってるんだ? この状態……回復が止まっているのか?」


一目見ただけで言い当てるとは流石は結城さんだ。


「詳しい話は後でするけど、津堂が持っとったPBTとかいうスマホが壊れたら、二人ともこんな感じになってしもた。津堂は何をしようが死なん代わりに、傷を負った痛みが永遠に続くみたいでな、あっさり気絶してしもたわ」


煌我に関しては見ればわかるだろうと、大和さんが髪を掴んで生首を皆に見せる。


「おいおい、俺は見世物じゃないんだけどね」


「うげぇ、生首が喋ってるよ。一体どうなってるのさ。ありえないでしょ」


まるで汚物でも見るかのような目で吹雪さんが見たが、多くの人が同じような顔をしていた。
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