東京ルミナスピラー
「お前ら、ここは北軍だっつっただろ! だったらいるのは北軍だ! 薄い可能性で西軍の人間がここにいたとして、助けてやる義理はねぇ! 自分のことだけ考えろ!」


その意見はわかる。


多分、この街にいる人の誰に聞いても杉村と同じことを言うだろう。


でも、気持ち的に俺はそれを認めたくない!


「杉村さんが行かないなら俺と宗司で行く! だったらいいだろ! 行くぞ、宗司!」


「おうよ! そう来なくっちゃな!」


「わ、わわっ! ちょっと! 二人とも! こんな敵地の真ん中で勝手なことしちゃだめぇ!」


ひなたさんの声を振り払うように、声のした方に駆け出した俺と宗司。


まだ悲鳴は聞こえていて、殺されていないことがわかる。


そして、交差点を右に曲がった俺達が見たものは……。







細い、フェンシングに使われるような剣を手に、地面に座り込んでいる女性と……羽根の生えた、頭部に角のある鬼。


羽ばたいて、空を飛んでいる鬼が三匹、もう一人の女性の身体を足で掴んで、空中で引っ張り合っていたのだ。


「や、やめて……離して! あぎ……やめ……千切れる!」


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