東京ルミナスピラー
鬼に掴まれて、空中で引っ張られている女性の服が避け、肉が引き裂かれているのか、血が辺りに飛び散り始める。


「さ、三匹もいるのかよ! 杉村の言う通り、構うべきじゃなかったか!? って、おい! 葵!」


宗司が弱音を吐いている間にも、俺は日本刀を引き抜いて、鬼に向かって走っていた。


地面に座り込んでいる女性の横を抜け、空を飛んでいる鬼のうちの一匹に狙いを定めて飛び上がる。


俺が選んだ新しいスキル、「ジャンプ力+」のおかげで、ギリギリ刃が鬼の足に届く!


身体を回転させて、下から斬り上げるようにして刃を振るった。


鬼の足の表面を、ガリガリと削るような感覚が手にあった直後、肉を斬るような感覚へと変わった。


「ギャアアアアアアッ!」


鬼の悲鳴が辺りに響き渡る。


と、同時に……空中に持ち上げられていた女性の身体が、鬼達によって引きちぎられて。


俺の目の前で、首と右半身、そして左半身に分かれて、大量の血を辺りに撒き散らしたのだ。


「う、嘘だ! 嘘だよ美奈ちゃん!」


地面に座っている女性が悲痛な叫び声を上げるけど、どうしてそんなに泣き叫んでいるんだ。





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