東京ルミナスピラー
何度も聞いた言葉だなそれは。


俺もその言葉には賛成するよ。


出来れば、俺の勝利で終わりたいもんだね。


「御託はいいから早くやろう。そうやって俺が出血多量で死ぬのを待つつもりかよ」


「……悪かった。じゃあ遠慮なく行かせてもらう! これが最後だ! 葵っ!」


父さんが日本刀を下に構えて走って来る。


あ、これはあれかな。


なんか、事故に遭う直前とかにスローモーションに見えるってやつかな。


ドクンドクンと心臓が早く鳴っている音も聞こえて、まるで耳に心臓でも付いているかのようだ。


いや……ただのスローモーションじゃないな。


父さんの太刀筋が見える。


俺から見て、左下から斜めに斬り上げるつもりだ。


ガクンと膝が折れるかのように、父さんの懐に飛び込んで屈み込む。


思わぬ俺の行動に、虚を突かれた様子の父さんは、鞘を俺の右脇腹に打ち付けようとするが、それは何とか日本刀で防いで。


足に力を込めて父さんに体当たりをすると同時に、右下に構えた日本刀を斜めに振り上げる。


だがそこは流石と言うべきか。


上半身を無理矢理回転させて、再び右手の日本刀で俺の攻撃を防いだのだ。
< 1,459 / 1,486 >

この作品をシェア

pagetop