東京ルミナスピラー
この一撃。


ただ防御をされただけかと思ったけどそうではなかった。


父さんの日本刀が、柄を握る俺の右手の指を三本切り落とし、人差し指と親指が辛うじて残っている状態。


さらに、その日本の指では父さんの攻撃に耐え切れずに日本刀が手から離れてしまったのだ。


「終わりだ! あお……ぐっ!」


日本刀が俺の手から離れたのを見て、勝利を確信したみたいだけど、それが油断に繋がった。


この攻撃は防がれるかもしれないと感じた俺は、父さんの頭部目掛けてハイキックを放っていた。


それも、足でトンファーを取り出して。


いつもは移動くらいにしか使っていなかったけど、ここに来て攻撃に転用することが出来た。


情けない、出来損ないのハイキックでも、武器を挟めば立派な攻撃になる。


バランスを崩した父さんはよろめき、顔の左側が砕けて血を流していた。


「あ、足で武器を……移動だけだと油断した……かはっ」


「父さん……もう、終わりにしよう。黒井と……津堂の企みで造られたこんな街……あっちゃいけないんだよ。だから……大人しく、俺にやられろよ」


日本刀を取り出すけれど、二本の指では強く握れない。


これでは攻撃した瞬間、手から離れてしまうだろう。


父さんがフラフラしているから絶好のチャンスだというのに。


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