東京ルミナスピラー
「それならっ！」


この窮地を脱するにはこれしかない！


回転しながら宙を舞う中で、一瞬のタイミングを見計らって床に足を伸ばした。


足の裏で鞘を取り出し、それで床を蹴って身体をさらに浮かせたのだ。


だが、父さんの横一文字の攻撃が俺を襲う。


鞘を切断し、俺が伸ばした脚も。


一回の攻撃のはずなのに、なぜか鞘と俺の脚が四回斬られたかのように切断されて。


黒狼爪牙閃……爪で引き裂かれたような斬撃とは。


脚を一本犠牲にして宙に逃れたけど、俺はその技の本当の意味を知る。


横に振った日本刀を、身体を回転させながら今度は縦方向の攻撃に切り替えたのだ。


爪の次は牙！


あまりにも速く、流れるような攻撃に、今度こそ回避する方法が思い浮かばない！


一か八かで、足の裏に取り出したトンファーで日本刀を横から蹴る。


が、その悪足掻きも虚しく、日本刀の軌道は変わらない。


俺は……父さんの斬撃を正面から食らい、真っ二つにされて血を辺りに飛び散らせた。


「手応えあり。やはり葵……お前ではまだ届かなかったんだ」


父さんの目には、血を吹き出す俺の姿が映し出されているだろう。
< 1,464 / 1,486 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop