東京ルミナスピラー
「一撃必殺……連撃!!」


そう。


俺の日本刀は、父さんと結城さんの戦いの産物。


父さんのもつ見えない刃と、結城さんが会得した遅れてくる連撃。


二つの異なる力を同時に発現しているんだ。


それも、遅れてくる斬撃全てに、スキルが発動している。


父さんが掲げている日本刀に衝撃が加わる。


キィィン……と、甲高い金属の音。


俺の日本刀が父さんの日本刀を破壊して……さらに、見えない刃が父さんを頭のてっぺんから斬り裂いて。


床に日本刀が刺さり、俺はその場に倒れ込むように崩れ落ちた。


「……どこかで見たことのある戦い方だと思ったら……俺と黒井の戦いを真似たのか?」


「は、はは……まさかね。偶然……だよ」


そう言うと父さんは、満足したように動きを止めて。


俺は一人、何もないこの部屋で仰向けになって天井を見ていた。


「やった……やったんだよな? これで全てが終わるんだよな? 灯……姉さん。皆……俺、やったんだ」


いつの間にか流れ出ている涙を拭うことも出来ずに、俺はただ泣くことしか出来なかった。


母さんに託されて、父さんと姉さんを助ける為に飛び込んだこの街で、こんな長い戦いが待っているなんて、あの時は思わなかった。
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