東京ルミナスピラー
不思議な夢の話で時間を潰して、ファミレスで昼ご飯を食べた俺達は、また街をブラついて灯の家に向かうことにした。


「その夢の中だと、私は断然拓真派かな。かっこいいじゃない。まさか是松先生とそんな仲になるなんて思わなかったけどさ」


断片的に思い出す夢の内容が灯も気になり始めたようで、あれからずっと話している。


話しているうちに、これは本当に夢だったのかと疑わしくなるけど、現実とは既に違う点がいくつも存在する。


俺の両親はいるし、灯の義兄でもない。


宗司の両親は離婚をしていないから、夢だと確信しているんだけど……何か釈然としないな。


「あ、ねえ。あれって是松先生じゃない? 隣にいるのって彼氏かな?」


街を歩いていると、灯が目ざとく道路の反対側にいるゴリ松を見付けた。


しかも、横断歩道で信号待ちをしているということは……俺達と鉢合わせになってしまうということだ。


そしてその隣には……。


「あれは……え? 嘘だろ? 拓真……なのか?」


夢の中で見た、拓真にそっくりな人が、ゴリ松と一緒に楽しそうに歩いていたのだ。


デジャヴ……というにはあまりにも鮮明に、そして懐かしい姿。
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