東京ルミナスピラー
「よう。早速だけど、ちょっとお邪魔させてもらうぜ」


ん……この声、つい最近聞いたことがあるぞ。


入り口にいる人を見て、浜瀬さんが明らかに驚いたような表情を浮かべて、その声の主を見ていた。


何となく、誰がいるのかを察して振り返ってみると……。


「よっ！ 少年！ さっきぶり！」


そこには、満面の笑みを浮かべて俺に手を挙げる篠田さんの姿があったのだ。


そして、その後ろには俺と同じくらいの年齢の女の子が。


「お、おいおい冗談だろ。は、はは……まいったねこりゃ。なんで拳帝がこんな弱小グループのところにやってくるんだ。目を付けられるようなことをしたかな……」


どうすればいいのかわからないと言った様子で、慌てて立ち上がってゆっくりとこっちの方に歩いてくる浜瀬さん。


「拳帝って……嘘でしょ!? 西軍最大のグループの!? 確かに近くにいるけど……どうして」


舞美さんも驚いて呆然としている。


無理もないか。


俺だって、まさかこの人が拳帝だなんて思わなかったから。


「ちょっと話があってな。単刀直入に言うぞ。こいつを……夕蘭(ゆら)をお前に預けたいと思って来たんだよ」


< 160 / 1,486 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop