東京ルミナスピラー
「うるせぇ。俺が決めたことだ。お前は大人しく俺の言うことを聞いてればいいんだよ。こいつと一緒に行動して、少しは世の中の厳しさを知りやがれ。んじゃ、そういうことで後はよろしくな。あ、お互いの同意があったらセックスも許してやるよ」


そう言って立ち上がり、俺の胸に拳を押し付けて、タケさんはホテルから出て行った。


いきなりやって来て、掻き回すだけ掻き回して去って行く……まるで台風みたいな人だな。


いや、今はタケさんに呆れている場合じゃない。


「何よ何よ! 本当に最低っ! なんで私がこんな……はぁ」


パーカーにスカートという姿の可愛らしい女の子。


夕蘭という子の第一印象はそれだった。


「い、一体何が何だか……葵くん、説明してくれないか……」


「お、俺だってわかりませんよ!」


浜瀬さんは戸惑っているみたいだけど、俺はそれ以上に理解が出来ていない。


となると、この場にいる皆意味不明なんだろうな。


「え、えっと……夕蘭ちゃん。私は灯、よろしくね」


状況が把握出来ないなりに、灯が夕蘭に優しく語りかけると、少し照れたように顔を反らして。


「う、うん。こちらこそ」


そう言って俯いた。
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