東京ルミナスピラー
立ち話もなんだということで、少し歩いて立派な門構えの店に入って、聖戦前に昼食を摂りながら話そうということになった。


成り行きとはいえ、一応敵軍の人と仲良く食事なんて皆はどう思っているんだろう。


「千桜さん。南軍は今、どうなっとる? いや、南軍だけやない。この街がどこに向かっとるんか気になって仕方ないわ」


テーブル席に座って、メニューを見ながら大和さんがおしぼりで顔を拭きながら尋ねた。


「どう……というのはわかりませんが。うちは今、戦力の増強と内部の意思の統一に向けて動いています。中には敵軍のキングを破壊して外に出ようと考えたり、南軍の中で勢力を拡大しようと考えている者もいるみたいですがね」


「どこも変わらないな。ま、こんな街から早く出たいと思う気持ちはわかるけどさ」


千桜さん、大和さん、浜瀬さんといった中年グループのテーブルは、真剣な話をしてるみたいだけど、こっちのテーブルはそんな話とは無縁だ。


「あ、これ美味しそう。でもどれくらいの量があるんだろ。灯、シェアしない?」


「うんいいよ。じゃあ私はこれ食べたいから、これもシェアしようね」


話の重さが天と地ほど差があるよ、
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