東京ルミナスピラー
千桜さんの話もそうだけど、一番驚いたのはお店のシステムだ。


食べたいものを選び、メニューに触れるとそれが目の前に現れる。


自分のPBSの中に入ってる金と引き換えだけど、待ち時間0で出来たての料理が食べられるのは画期的だった。


食事をしながら千桜さんの話を聞いていると、俺達がやるべきことは単純だった。


南軍には南軍の、西軍には西軍のやり方があるから、軍単位の話は置いといて、個人としては聖戦に参加して敵軍の人を倒し、武器レベルを上げる。


強くなったらこの街にいる強い人達と協力して両国の白い塔に向かう。


RPGで言うと、魔王を倒せみたいな目標でわかりやすい。


そんな話をしていると、大音量の警報音と「WARNING」の文字が目の前に。


「おっと、もうすぐ聖戦の時間か。ところで千桜さん。さっきの話やと、殺し合うのはお互いに鍛える為……じゃったな。なら、千桜さんを殺しても文句はないということになるのう」


料理を食べて、お腹を擦る大和さんが、ナイフを取り出してニヤリと笑って見せた。


まさか、今まで一緒に食事をしていた人を殺すつもりなのか?


「ええ、そうですね。ですが、殺せるかどうかというのは別の話になりますが……試してみますか? 僕も手は抜きませんよ?」
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