東京ルミナスピラー
「も、目標は……この街から出られたら……ですかね?」


俺だけじゃなく、皆そう願っていると思うけど。


「では、キングを見付けたら真っ先にキミが破壊するわけですね?」


「いや、まず先に灯に破壊させて、その次に……俺か友達ですかね?」


「ふむ、するとキミは、友達以外の仲間のことは見捨てるつもりですね?」


千桜さんにそう言われて、俺は浜瀬さんと夕蘭を横目に見た。


この二人だけじゃない。


舞美さんや杉村、あまり話してないけど須田さんや松坂さんもいて、考えれば考えるほど、自分の優先順位がわからなくなる。


「これからキミは多くの人と巡り会うでしょう。ですがその目標だと、仮に10人で同時にキングを見付けた場合、誰がそのキングを破壊するかで必ずトラブルになります。仲間同士で殺し合いになるかもしれません」


その場面を想像してみると、千桜さんの言う通りの光景が容易に想像できてしまう。


何度も見付ければいいじゃないかという考えが一瞬脳裏を過ぎったが、父さんやタケさんといった実力者でさえまだ見付けられないほどだ。


「じゃあ……どうすれば」


「全ての人を助ける方法を考えるんですよ。なぜ、この街は光の壁に包まれたのか、それは果たして天の意思なのか、それとも人為的なものなのか。その謎が解ければ、全ての人達が解放されるかもしれませんね」
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