東京ルミナスピラー
~16年後~
「うわーーーーっ! 遅刻だ遅刻! なんで起こしてくれなかったんだよ母さん!」
起きた瞬間から遅刻をするとわかる時間に目を覚まし、慌てて制服に着替えながら廊下を走ってリビングに入った俺を、父さんが苦笑いを浮かべて迎えた。
「朝から騒がしいことで。明ちゃん、葵を起こすの忘れたのかい?」
そう言ってキッチンの方に目を向けると、母さんが綺麗な長い黒髪を揺らして俺を見て、首を傾げた。
「起こしたけれど。あと5分って言っていたから、てっきり5分後に起きるものと思っていたわ。あらあら、もう20分も経っているわね」
時計を見てさらに首を傾げた母さんに、俺はどう言えばいいのか。
母さんはこんな風に、少し抜けているところがあるんだよな。
まあ、遅刻したからとか、成績が悪いからって怒るような人じゃないから、そこだけは救われてるかな。
「ははは。人を頼るなってことだ。早く準備をしろ。父さんが仕事に行くついでに送ってやる」
コーヒーを飲み干し、ソファから立ち上がった父さん。
どっちにしても遅刻は確定してるから、送ってもらえるならありがたい。
「うわーーーーっ! 遅刻だ遅刻! なんで起こしてくれなかったんだよ母さん!」
起きた瞬間から遅刻をするとわかる時間に目を覚まし、慌てて制服に着替えながら廊下を走ってリビングに入った俺を、父さんが苦笑いを浮かべて迎えた。
「朝から騒がしいことで。明ちゃん、葵を起こすの忘れたのかい?」
そう言ってキッチンの方に目を向けると、母さんが綺麗な長い黒髪を揺らして俺を見て、首を傾げた。
「起こしたけれど。あと5分って言っていたから、てっきり5分後に起きるものと思っていたわ。あらあら、もう20分も経っているわね」
時計を見てさらに首を傾げた母さんに、俺はどう言えばいいのか。
母さんはこんな風に、少し抜けているところがあるんだよな。
まあ、遅刻したからとか、成績が悪いからって怒るような人じゃないから、そこだけは救われてるかな。
「ははは。人を頼るなってことだ。早く準備をしろ。父さんが仕事に行くついでに送ってやる」
コーヒーを飲み干し、ソファから立ち上がった父さん。
どっちにしても遅刻は確定してるから、送ってもらえるならありがたい。