東京ルミナスピラー
「千桜さんは南軍やから、あんまり言いたくないけどな。光の壁に対してこう……直角に近い道を行こうとするからあかんねん。ほとんど角度のない、鋭角に近い道を通って中に入るんや」


そう言いながら、俺達を連れて人形町通りから外れて歩き出す大和さん。


二つ先の交差点を右に曲がり、すぐに左に曲がると、道を斜めに遮るようにして光の壁が走っている場所に到着した。


「この先にあるのはT字路で、南軍からしたら西軍からの侵攻は少ない道や。運が良ければ大通りで大量に敵を倒せるのに、わざわざこんな路地で待ち構えるやつはおらん。もしもおったとしても、それは大通りで戦うことも出来ん雑魚っちゅうわけや」


「言われてみればそうかもですね。戦いに自信がないなら、路地で不意打ちを狙う。遠距離武器じゃない人は、嫌でも近接戦闘になってしまいますから、大通りで戦うにはそれなりの力量が必要になる……か」


大和さんの説明は、聖戦に参加した経験のある俺にはすんなりと入ってくるものだった。


「千桜さんは南軍や。ワシらとべったりってわけにはいかん。せやからワシとお嬢ちゃんで、少年の盾になる。もちろん、少年のソウルストーンを回復させることが最優先やから、とどめは少年やないとあかん。どうや、出来るか?」
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