東京ルミナスピラー
大和さんの言葉に頷いて、俺は日本刀を取り出した。


トンファーも日本刀とレベルは同じだけど、スキルがまだ一個しか解放出来ていない。


それも「ブロッキング」という、どんな攻撃を受けても武器が破壊されないスキルだ。


一見無敵のように思えるけど、俺が力負けしていれば、武器は破壊されなくてもダメージは伝わるらしい。


しばらくその場で待機していると、例の声が頭の中に流れた。







『聖戦が開始されました。皆さん、頑張ってください』






それと同時に、大和さんが真っ先に光の壁に向かって歩き、南軍へと足を踏み入れた。


どうやら、大和さんの読み通り、ここには敵はいないようで、すんなりと侵入することが出来た。


「うわぁ……大通りの方、凄い音がしてるね。まるで戦争みたい」


「いやいや、戦争でしょ、こんなの。灯って思ったよりのんびりしてるよね」


「お嬢さん方。ここは敵地や。気を引き締めんと、あっという間にやられるで」


俺を守るようにして、三人が先を歩く。


「それでは飛ばしますよ。隅田川を越えるまでは『池田派』の縄張りなので絶対に捕まらないでください!」


千桜さんは素早くこの場から離れて、俺達と距離を取って先行する。


こうもすんなりと侵入出来るなんて、なんだか上手く行き過ぎてるような気がするけど、もしかしたら大和さんの予想が当たったのかもしれないな。
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