東京ルミナスピラー
「くっ! 敵の数が多いっ! どうなってるんだよ! 夕蘭! 大丈夫か!?」


「あんたは自分の心配してなよ! 私は死んでもアジトに戻るだけなんだから!」


南軍は統率が取れている……という言葉の意味を、俺はもっと良く理解すべきだった。


隅田川に向かって走り続けていた俺達に、前方と背後を塞ぐように敵が現れたのだ。


ただ、俺達を追い詰める為にと言うよりは、向こう側からしても予期せぬ邂逅のようで、驚いたように武器を構えて襲いかかって来る。


「死ねっ! オラ!」


「アヒャヒャヒャ! ソウル頂きだぜ!」


「お前らずるいぞ! 俺も殺したいんだからな!」


集団としては統率が取れているかもしれないけど、遭遇戦には弱いのか、我先にと俺に向かって駆け寄ってくる。


その移動速度から、大した強さじゃないと判断した俺は、日本刀を左側に構えて腰を落とした。


そして、グッと足に力を込めて、迫り来る男三人の男に向かって低い体勢でジャンプ。


高速の移動。


男達に接近すると同時に日本刀を横に振り、身体を上下に両断すると、地面を滑りながら向きを変えて夕蘭の方に目を向けた。
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