東京ルミナスピラー
千桜さんも大和さんも灯もいない。


俺一人しかいなくなった状態で、どうすりゃいいって言うんだ。


「夕蘭を……取り返すしかないよな」


西軍に帰るという選択肢は考えなかった。


夕蘭が拐われたのは俺のせいだ。


だから、何としてでも俺が解決しなければならない。


PBSを開き、暗転しているソウルストーンに触れると「ソウルを10個使用してソウルストーンを回復しますか?」という文字。


ソウルストーンを一つ回復し、俺はあの人物が消えた方を見た。


ここから南の方角。


地図を確認すると、地形的には隅田川よりもこちら側にいる可能性が高いな。


「もしかして今のが、千桜さんが言ってた池田か? だからあんなに強かったのかもしれないな」


まだ聖戦の真っ最中で、気を引き締めて行かなければならない。


よし、行くか。


そう思って歩き出した時だった。


「おやおや……こんな所に西軍が。お手並み拝見と行くかな」


さっきの防毒マスクの男と同じく、フードを深く被ったロングコートの人物が、いつの間にか俺の前に立ち塞がっていたのだ。


この声の感じ……男か。


「お前……さっきのやつの仲間か? 言え! 防毒マスクのやつはどこに行った!」
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