東京ルミナスピラー
200人……か。


この街に来た時は誰よりも弱かったことを考えたら、その数字は随分評価してくれてるように思える。


「はいそうですかって……やられるわけにはいかないんだよね。拐われた仲間を助けなきゃならないんだ!」


痛みを振り払うように叫んで、左手にトンファーを取り出した。


この男が鞘を使うならと対抗してみたけど……一度も使ったことのない武器を上手く使えるだろうか。


「打刀にトンファー……北条葵。なるほど、そういうことか。こいつは面白い!」


「何が!」


俺が駆け出したのに合わせて男も駆け出して、目の前で日本刀が交差する。


ギャリギャリと金属が擦れる音が聞こえて、お互いの吐息が聞こえるほど近く。


振り抜く力がお互いを弾き、さらにそこから踏み込んだ俺は、地面に振り下ろされた男の日本刀の背を踏み付けてトンファーをその背中目掛けて振った。


が、男は足を開き、身体を地面スレスレまで低くしてそれを回避したのだ。


「嘘だろ!?」


「戦いが終わるまで気を抜くな。それがお前の弱点だ、北条葵!」


そう言うと、素早く日本刀を振り上げて俺の足を掬った。


バランスを崩した俺は地面に仰向けに倒れ、眼前には男が振り下ろした日本刀が迫っていた。
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