東京ルミナスピラー

「うわわっ！」


思わず左手のトンファーを振り上げ、その斬撃を受け止めた。


ミシミシと、腕の骨が軋むような音が身体の中から聞こえる。


これはまずいと、トンファーを押し上げてすぐに身体を回転させて日本刀から逃れる。


体勢を整えたいのに……この男の攻撃が速くて立ち上がることさえ困難だ。


それでも、地面を転がりながら後退し、何とか立ち上がれたところで男は日本刀を鞘に納めた。


もう終わりなのかと、ほんの少し安心したけれど。


「俺の取っておきを見せてやる。これを凌げたら……津堂の居場所を教えてやるよ！」


そう言って、鞘に納められた日本刀の柄に手を添えた男。


これは……この攻撃はまずい！


大した強さでもない俺でもわかる。


この攻撃をまともに食らったら、俺は間違いなく死んでしまう！


どこに逃げても回避出来るイメージが湧かないのに、食らえば死ぬという絶望の中……俺は男に向かって駆け出した。


その攻撃が来る前に、こいつを仕留める！


殺すつもりで攻撃しないと、俺が死んでしまう！


殺しては津堂の居場所を知ることが出来ないとか、そんなことを言っている場合ですらなかった。