東京ルミナスピラー
「その判断は正しい。だけどもっと速くなければ意味はない!」


男の手が日本刀を握り、超高速の抜刀。


まるで光を浴びせられたように、目で捉えることが不可能な斬撃が俺に迫る。


回避する時間なんて当然なくて。


「うおおおおおおっ!」


だから、回避を捨てた俺は、トンファーを前方に構えて走っていた。


間に合うかどうかギリギリのタイミングだったけれど……ドンッという衝撃と共に、前進しているにも関わらず後退させられる。


腕が折れてしまいそうな力が加わって、それでも「ブロッキング」のスキルを覚えたトンファーはこの斬撃を食い止めてくれた!


「な……受け止めた!?」


確かに凄まじく速かったけど、一撃の重さならあの鬼の方が上だったぞ!


こいつを倒すには、一か八か一撃必殺の攻撃を食らわせるしかない!


走りながら日本刀を振り上げると、力が集束して行くのがわかる。


俺の動きに気付いたか、男は素早く刃を返し、俺の首目掛けて横に日本刀を滑らせた。


トンファーでガードすべきか……いや、この男の予想の上を行かなければ刃が届かない!


ガードという選択肢を考えていないはずが無い!
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