東京ルミナスピラー
母さんが今まで見たことのないような恐ろしい形相で、ミラー越しに灯を睨み付ける。
隣に座っている俺でも、身震いをしてしまいそうな表情だ。
「ま、まあ仕方ないよな。ここは俺と葵に任せて、灯は俺達の帰りを待ってな」
さすがに俺に続いて灯まで行くと言い出したら、母さんが一人になってしまう。
そうなったら、心配で眠れなくなってしまうかもしれない。
「ありがとう母さん。ここで降りるよ」
シートベルトを外して、渋滞で動いていない車から降りる為に、ドアを開けた。
「葵、絶対に無事に帰って来てね」
「任せてよ。俺は北条葵だ。強くて美人だった北条恵梨香の息子なんだ。絶対に皆一緒に母さんの所に帰るよ」
そう言い、ドアを閉めると、後部座席のドアが開いた。
宗司がルーズに着た制服姿で車から降りる。
そして……車の後ろに回るとハッチを開けて、中にいる灯を降ろしたのだ。
「!? 灯! 何をしてるの! 戻りなさい!」
車の中で母さんが叫んでいるけど、宗司はそんな母さんを挑発するように両手で指差して。
「残念だったねおばさん! 灯ももう高校生なんだから、少しは自由を認めてあげなよ! 大丈夫だって、俺と葵がついてるんだからさ!」
「ちょっと! 待ちなさい!」
俺は2人に背中を押されるようにして、光の壁の方に向かって走り出した。
隣に座っている俺でも、身震いをしてしまいそうな表情だ。
「ま、まあ仕方ないよな。ここは俺と葵に任せて、灯は俺達の帰りを待ってな」
さすがに俺に続いて灯まで行くと言い出したら、母さんが一人になってしまう。
そうなったら、心配で眠れなくなってしまうかもしれない。
「ありがとう母さん。ここで降りるよ」
シートベルトを外して、渋滞で動いていない車から降りる為に、ドアを開けた。
「葵、絶対に無事に帰って来てね」
「任せてよ。俺は北条葵だ。強くて美人だった北条恵梨香の息子なんだ。絶対に皆一緒に母さんの所に帰るよ」
そう言い、ドアを閉めると、後部座席のドアが開いた。
宗司がルーズに着た制服姿で車から降りる。
そして……車の後ろに回るとハッチを開けて、中にいる灯を降ろしたのだ。
「!? 灯! 何をしてるの! 戻りなさい!」
車の中で母さんが叫んでいるけど、宗司はそんな母さんを挑発するように両手で指差して。
「残念だったねおばさん! 灯ももう高校生なんだから、少しは自由を認めてあげなよ! 大丈夫だって、俺と葵がついてるんだからさ!」
「ちょっと! 待ちなさい!」
俺は2人に背中を押されるようにして、光の壁の方に向かって走り出した。