東京ルミナスピラー
「そ、そんなのシャレになりませんよ! 灯も夕蘭も、早く助けなきゃ……」


今、こうして話している時間も惜しくなってきた。


「なんだ? 葵の彼女なのか? 二人も欲張りだねぇ」


「違いますよ! 灯は俺の義理の妹で……夕蘭は西軍のタケさんっていう、めちゃくちゃ強い人の娘さんなんですよ。何かあったら俺、殺されるかも……」


頭を抱えてそう言うと、結城さんの眉毛がピクリと動いた。


「タケさんって……もしかして篠田さん? 篠田武久……」


俺が頷くと、結城さんの顔が引きつって行くのがわかる。


「し、篠田さんか……そりゃあ、ちょっと本気にならないとまずいな」


「灯ちゃんは北軍の名鳥の娘やろ。もしもそんなことになってみい……南軍にランキング1位と2位が殴り込んで来るで。それはもう、戦いやあらへん。一方的な殺戮が始まるやろうな」


まさか、拐ったやつらはそんな事情を知らないだろうから、こうなるのはわからなかっただろうけど。


その光景が容易に想像出来る。


「は、はは……何とか奪い返さないと、本気でやばいな。俺の武器が折れてなければ何とかなったかもしれないけど……どうする」
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