東京ルミナスピラー
妙に気になってしまって、鬱陶しく感じた俺は、それを右手で横に払うような仕草を見せた。


瞬間。


目の前に、緑のディスプレイのような物が空間に現れたのだ。


「お、おわっ! な、なんだこりゃあ!」


「ん? なんだなんだ? エロ本でも落ちてたか?」


こんな時に宗司は何を言ってるんだ!


「バカ! お前これが見えないのかよ! ほら、俺の前にある緑の画面みたいな……」


俺がそれを指さして説明しても、宗司も灯も首を傾げて。


「何も……ないけど。葵、あんたしっかり睡眠取れた? 疲れてるんじゃない?」


灯にまで心配される始末!


「違うんだって! なんか視界の右上に光る物があって、それを手で払ったら目の前にだな!」


俺がそこまで説明して、どうやら2人にも俺と同じものが見えたみたいで。


それを手で払うと、感嘆の声を上げた。


「な、なんじゃこりゃあっ! すげえ! すげえぞ! SFの世界に入っちまったのか俺達は!」


「え、え、な、何これ! 何で目の前にこんなものが!?」


2人が驚いている間に、今度は左下にある光に触れて、右上に払ってみた。


すると、眼前に現れていた緑のディスプレイは綺麗に消え失せたのだ。
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