東京ルミナスピラー
とりあえずこの場は、結城さんがキングに再びブルーシートを被せて隠すということになった。


目撃者は結城さんと拓真、舞桜に大和さんと俺の五人。


他の人に言わなければ、このキングの場所が知られることはない。


「次の聖戦まで、安全な場所を提供する。それまではそこで休んでいてくれ」


結城さんにそう言われ、俺達は一旦その場を後にすることになった。


どうやら、聖戦中でなければ光の壁を越えることが出来ないみたいで、次の聖戦は夕方。


かなりの時間を南軍で過ごすことになる。


俺達だけではなく、池田派に捕まった人質も一緒に。


「ここのホテルの鍵はカード式か。良いかお前ら。自分の好きな部屋を使えばいい。ドアを開けるのはPBSを開いて『解錠』を使え。手をリーダーにかざせば開くし、ホテルの外に出るまではその部屋はお前らの手以外では開かなくなる。だから手をなくすなよ」


ホテルのロビーで、拓真が人質だった人達に説明をしているのを横目に見ながら、俺はこの先どうするべきかを壁にもたれて考えていた。


煌我が出てくるまでは、いい具合にまとまっていたんだ。


だけど、キングが俺達の前に現れてから、仲間だった人達は敵味方に分かれることとなった。


それぞれに理由はある。


そして、それは自分にとっては譲れない物だということもわかる。
< 275 / 1,486 >

この作品をシェア

pagetop