東京ルミナスピラー
~数時間後~
「う……うん……。灯……父さんに見付かったらまずい……はっ!!」
自分でも寝言を言っているとわかって、その声で目が覚めてしまった俺は……隣で、嬉しそうに俺を見ている灯と目が合った。
「何がまずいの? ねえ、夢の中で私と何してたの? 教えてよ」
「え、あ、いや……はは」
「夢の私に先を越されちゃうなんて、なんかムカつく」
そう言って、軽く俺にキスをした灯。
どれだけ寝ていたのかはわからないけど、もしも聖戦の時間を過ぎていたら、今度は明日の朝まで待たなければならない。
慌てて枕元の時計を見ると、時刻は17時32分。
危ない、もうちょっとで聖戦が始まるところだった。
「起きなきゃ。聖戦が始まる。灯は聖戦が始まったら、アジトに帰るんだぞ。浜瀬さん達と合流するんだ」
ベッドから起き上がって、とりあえず身支度をしようと浴室に入った俺は歯ブラシをくわえた。
「やだよ。葵が好きだもん。ずっと葵と一緒にいたい。私だって、もっと強くなって役に立ちたいよ。せっかく好きって伝えたんだから」
……灯のこういうわかりやすいところは嫌いじゃないけど、好意を俺に向けられているというのはなんだか照れくさいな。