東京ルミナスピラー
灯と一階に下りると、そこにはもう、俺達以外の皆が集まっていた。


ここから光の壁は近い。


聖戦が始まって少ししたら西軍に戻れば良いだけだ。


「さて、これで全員か。葵、お前は聖戦が始まったらどうするつもりなんだ? 俺と舞桜は一度北軍に戻るけど」


拓真にそう尋ねられて、俺はチラリと夕蘭の方を見た。


これからしようとしていることは、俺の家族に関することだ。


北軍でもなければ、ましてや家族でもない夕蘭を連れて行くわけには行かないか。


「夕蘭をアジトに送って、父さんのところに向かいます」


「考えが固まったのか。それとも答えが出ないのか。どちらにしてもお前ら家族の問題だからな。俺達と一緒に来い。北軍に入ったら名鳥さんを呼んでやるよ」


「助かります」


今日の朝に父さんと出会って、まさかこんなに早くに戻ることになるとは思わなかった。


こうなるとわかってたら、あんなかっこつけた別れ方するんじゃなかったよ。


「ふーん。まあ、私のことは心配しなくていいよ。家族のことに首を突っ込んで、また灯に引っぱたかれたくないからね。待ってるから、気を付けて行ってきなよ」


夕蘭なりに気を遣ってくれているのか、それとももうこんな危険な目に遭いたくないと思っているのかはわからないけど、大人しく言うことを聞いてくれそうで安心した。
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