東京ルミナスピラー
「な、なんだぁ!? あいつらダンスでも踊ってんのかよ! ガキがイチャイチャしやがっ……ぶぺっ!」


「あ、危ねぇ! 回転しながら何か飛ばして来やがる! 気を付け……べへっ!」


手から離れると数秒後に再び手に戻ってくるという投擲武器の特性を活かした攻撃。


遠くの敵に、風火輪が次々と襲いかかって、光の粒へと変わって行った。


「上手いぞ灯! 思ったより器用じゃないか!」


「これ、意外と難しいよ! 『追尾』スキルをつけてなかったら無理だったかも!」


なんか、やけに命中率がいいと思ったら、灯はそんなスキルを付けていたのか。


名前から察するに、目標に向かって自動で方向を変えてくれる感じか。


「ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ! 遠距離攻撃なんざ、防いじまえば怖くねぇ! 遠距離ってことは、接近戦は苦手なんだろいただきまーす!」


そんな中で、風火輪を防いだ男が一人。


どこかで見たことがあると思ったら、今日の朝にタケさんに吹っ飛ばされた田中が、金棒を振り上げて俺に迫って来たのだ。


でも、接近戦が苦手なんてことはない。


むしろ俺は接近戦しか出来ないからな。


迫る田中に向かって一歩踏み出した俺は、右手の日本刀を水平に、その胴目掛けて滑らせた。
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