東京ルミナスピラー
死を覚悟して、ゆっくりと目を閉じたその時、俺の耳にか細い声が届いた。
「お父さん……葵……どこにいるの? さっきから……恐ろしい声が聞こえてるけど、一体……何をしているの?」
その声の方に目を向けると、姉さんが灯に支えられて屋上に出て来ていたのだ。
振り下ろされた結城さんの日本刀が、俺の眉間の薄皮を斬って、ピタリと止まっていた。
「お、おい……あれって……」
「鬼だぜ! 鬼だ!」
「いや、鬼にしてはなんか……おかしくないか」
キングを守る南軍の人達が、姉さんを見て口々にそんなことを言い始めた。
「あれが……葵のお姉さん」
結城さんも、姉さんの姿を見て何か思うところがあったのか、スッと日本刀を下ろして姉さんの方に向いた。
「だ、大丈夫だよ姉さん。話し合いをしていただけさ……ダメだよ。呼びに行くまで待っててくれなきゃさ」
もう動けないと思っていたけど、息も絶え絶えに喋る姉さんに、少しでも心配をかけさせるわけにはいかない。
その想いが、俺を立ち上がらせた。
ゆっくりと、足を引きずりながら姉さんに近付いて。
求めるように前に出した姉さんの手を、そっと握った。
「お父さん……葵……どこにいるの? さっきから……恐ろしい声が聞こえてるけど、一体……何をしているの?」
その声の方に目を向けると、姉さんが灯に支えられて屋上に出て来ていたのだ。
振り下ろされた結城さんの日本刀が、俺の眉間の薄皮を斬って、ピタリと止まっていた。
「お、おい……あれって……」
「鬼だぜ! 鬼だ!」
「いや、鬼にしてはなんか……おかしくないか」
キングを守る南軍の人達が、姉さんを見て口々にそんなことを言い始めた。
「あれが……葵のお姉さん」
結城さんも、姉さんの姿を見て何か思うところがあったのか、スッと日本刀を下ろして姉さんの方に向いた。
「だ、大丈夫だよ姉さん。話し合いをしていただけさ……ダメだよ。呼びに行くまで待っててくれなきゃさ」
もう動けないと思っていたけど、息も絶え絶えに喋る姉さんに、少しでも心配をかけさせるわけにはいかない。
その想いが、俺を立ち上がらせた。
ゆっくりと、足を引きずりながら姉さんに近付いて。
求めるように前に出した姉さんの手を、そっと握った。