東京ルミナスピラー
「光ちゃんを失って、自我を失ったみたいに暴れ続けた名鳥が、西軍にまで来やがった。どうなってんだって、あの巨乳おばさんに聞いたんだけどよ。味方ですら手が付けられないみたいだな。狂戦士ってのはまさにああいうのを言うんだぜ」


「それだけじゃなくて、南軍も西軍に侵攻してきてね。そんな中で篠田さんの不在でしょ? 南軍方面は大和さんと浜瀬さんが凌いでくれてるけど、もうボロボロよ」


あれから、そんなにこの街は動いたのか。


南軍はともかくとして、北軍の父さんを止めなきゃな。


ただ、悲しみに押し潰されて暴れているだけの父さんなんて見たくないから。


「まだ終わりじゃないんだよ葵くん。『鬼使い』までが西軍で暴れてるの。私達以外、皆外で見張りをしてるのよ」


「『鬼使い』……って何ですか?」


初めて聞く言葉に戸惑いつつ、首を傾げて尋ねると、舞美さんの代わりに杉村が答えた。


「どこからともなく現れた、どこの軍かもわからねえやつなんだけどよ、ホームレスみたいな格好してるのに、超豪華な日本刀を持ってるんだぜ。んでよ、そいつが真っ白い鬼を召喚するんだよ。これがまた強えのなんのって……」
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