東京ルミナスピラー
宗司と二人、ホテルを出て秋葉原駅の方に向かった。


「ようよう。タケさんと夕蘭の居場所がわかるって本当か? お前が死んでから二日経ってんだぜ?」


今にも雨が降りそうな暗い空。


ぼんやりと見上げながら、宗司の言葉に首を横に振った。


「ただの希望だよ。何もないかもしれないけど、自分の目で見てみないとわからないだろ? それに、夕蘭はまだ逃げてるのかもしれない」


俺は友里に逃げろ、守れと言ってしまった。


もしもそれを忠実に守っているのだとしたら……なんて、相手は鬼なのに都合のいいことばかり考えてるな。


「逃げてる? よくわかんねぇな。でもま、お前が言うならそうなんだろうな。じゃ、さっさと行こうぜ」


「宗司、お前は相変わらず軽いよな……」


「は? まだ可能性があるのに、悲観的になってても仕方ないだろ。悲しむのはもうどうしようもなくなってからで良いんだよ」


宗司のこういう部分に救われる。


俺が考え込むタイプだから、思ったことを口にして、そのまま行動するタイプの宗司だからこそ、友達でいられたのかもしれない。


「そうだな。じゃ、行くか」


俺も、宗司を見習って軽い返事をしてみた。
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