東京ルミナスピラー
「あーちくしょう! 本当に1分で毒が抜けるのかよこれ! まだ少し痺れてるぞ!」


「蘭子が支えてるから大丈夫。もっと寄りかかっても良い」


不完全燃焼な戦闘が終わり、俺達は千桜さんとミモザに案内されて結城さんの所に行くことになった。


大通りを避けて、路地を縫うように歩く。


「僕達の目的は、話が通じそうな強い西軍の人を探すことでした。大和さんもおられたのですが、あの方は自分が戦うよりも、人を動かす方に長けておられるので諦めたのですが……まさかあやせくんが来るとは。いや、わたるくんの言う通りだったと言うことですね」


「本当にこのプリティボーイが、結城さんの言ってた少年なんですかぁ? そうだとしたら、結城さんって凄くないですかぁ?」


他軍に助けを求める……ということは、それほど切迫した状況だってことか。


南軍の中では、最早解決出来ないことが起こっているに違いない。


大和さんが、単調な進軍を繰り返していると言っていたけど、それにも関係していることなんだろうな。


「結城昴か。名鳥さんから聞いたことがあるよ。真治と同じく、ひとつの世界を終わらせた『運命の少年』だったってね。その結城が認めたってことは……」


そう言って吹雪さんはチラリと俺を見て、ニヤリと笑った。
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