東京ルミナスピラー

「……やっぱり、気付いている人は気付いているんですね。流石は雪子さんの妹さんです。ですが、ここから先は迂闊に話すことは出来ません。葵達が運命に導かれた少年かどうか、見極めてからの話になります」


「姉ちゃんの名前を出すなんてね。あんたが言えないなら質問を変えるよ。池田煌我と津堂燕飛は一体何を企んでる。神谷銀二は何もわからずについて行ってるだけだろうけど、もしかして西軍の篠田の失踪に関わってるんじゃないだろうね？」


なに？


タケさんの失踪に、池田と津堂が絡んでいるかもしれないだって？


そう言えば、西軍にいたあの南軍のやつら。


池田派のやつらが着ていた黒いロングコートと同じものを着ていたかもしれないな。


「それを知れば、苦しい戦いに巻き込まれることになるでしょう。だから俺は、葵達にその覚悟があるかを見極める必要が……」


「御託は良いんだよ！ それは違うでしょ結城昴！ 運命に選ばれたかそうじゃないかで変わる行動なんて、私は運命だなんて認めない！ あんたは運命に選ばれたから『ヴァルハラ』で戦ったのかい!? 自分の信念で戦ったから、『運命の少年』と呼ばれるようになったんじゃないのかい!?」