東京ルミナスピラー
その言葉の意味がわからず、苦笑いをして見せたけど、慌てて後退しながらPBSを開いた。


「え、えっと……あった、これだ」


メニューの一番下。


右下にある「スキャン」という項目を押すと、目の前の男の情報が表示される。


「ゆ、結城昴(ゆうきすばる)……南軍!? 敵じゃないか!」


慌てて日本刀を目の前の男に向けるけど、男はそれに全く動じていないようだった。


「敵……俺はキミの敵なのか? 少なくとも俺は、俺に敵意を向けるやつしか敵とは思わない。そして良いことを教えてやる。俺の影とキミの影を見比べてみるといい。日中だと見にくいかもしれないけどね」


男の言う通り、足元の影を見てみると……俺の影が赤い?


そして結城昴の影は緑だった。


「なんで色が……もしかして、各軍で色が違うのか?」


「ご名答。あと、夜になればよくわかるけど、手首も同じ色に光る。いちいちスキャンなんてして戦えないだろ? 北条葵くん」


この人は……本当に敵なのか?


東西南北の軍に分かれていると言われても、他軍の人達と殺し合わなければいけないというのが、こうして話しているとわからなくなるよ。
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