東京ルミナスピラー
「えっと……結城さんはどうしてここに。南軍の人なんでしょ?」


「……仲間を集めるために。俺はいずれ、あの天を貫く塔を目指す。あれを柱だなんて皆は言っているがね。だけど、まだこの街は若すぎるようだ。来るべき時に向けて、俺は一度南軍に帰るとするよ」


「塔……」


結城さんがそう言って見上げた白い塔。


文字通り天を貫くほど高く、光の壁の中心にある。


でも、鬼達はあの塔に集まっているんだろう?


舞美さんがそう言っていただけだから、本当かどうかはまだわからないんだけど。


「時期じゃないってどういうことですか? 仲間を集めるのに時期が……あれ?」


塔から、結城さんに視線を戻した時には、もうその姿はどこにもなかった。


なんだか……不思議な人だったな。


どこかで会ったことがあるような、そんな感覚にさせてくれる人だった。


「……って、そんなこと考えてる場合じゃないよ! どうするんだよ、浜瀬さんと宗司が殺されちまったぞ!」


一旦ホテルに帰るか。


灯も心配だし、舞美さんにこのことを報告しないといけないからな。


そう考えて、ホテルの方に向かって歩いきだした時、警報音と共に、目の前に突然「WARNING!」という文字が現れたのだ。
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