東京ルミナスピラー
~ホテル~


「あ、葵。あれ? 1人なの? 浜瀬さんと宗司は……」


なんだか釈然としないままホテルに戻ると、俺の姿を見て灯がソファから立ち上がり、不思議そうに声を掛けた。


俺に背を向けて座っていた舞美さんも、振り向いて怪訝そうな表情を浮かべる。


「2人とも鬼に食われた。真っ白でツノが2本あった、変異種のポーンってやつに」


「まさか! 浜瀬さんが!? だったらどうして……」


俺がそう言うと、舞美さんは驚いたように声を上げたけど、その途中でカウンターの奥から見たこともない男の人が出てきた。


「ヘイヘイヘイ! 浜瀬さんが殺られるような鬼がいて、どうしてお前みたいなひよっこが無事に生きて帰って来られたんだぁ? お前も食われて全滅したっていう方が、納得できるってもんだぜ!」


いきなり挨拶もなしに、俺を責めるような発言をするこの男に、少しムッとしてしまった。


サングラスを掛けた、ロン毛のいかにもDQN(ドキュン)といった風貌の男。


「……杉村泰成(すぎむらやすなり)。武器はロングソードで、強さの数値は146pt」


「ヘイヘイ! 勝手に俺をスキャンしてんじゃないぜ! しっかしどうする舞美ちゃん。浜瀬さんがいないなら、今回の聖戦もお流れか?」


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