東京ルミナスピラー
杉村をスキャンし終わって、PBSを閉じると舞美さんは頭を抱えて悩んでいるようだった。


そう言えば浜瀬さんは一度も聖戦には参加したことがないって言ってたな。


「ああ、もうっ! 松坂さんも須田さんも内村さんもまだ復活しないし、早く私達も聖戦に参加しなきゃ、他の人達との差が開いちゃうってのに!」


「落ち着けよ舞美ちゃん。怒ってちゃ、可愛いのが台無しだぜ? よう、ひよっこ。お前、戦うくらいできんだろ? 四人いればなんとかなるっしょ」


杉村の提案に、舞美さんが呆れたように首を横に振った。


「葵くんはまだこの街に来たばかりなのよ!? いきなり聖戦だなんて! それに、四人ってあと一人は……」


「ここにいんじゃん」


それがさも当然のように、杉村が灯を指さして見せた。


いやいや、このチャラい男は何を言ってるんだよ。


灯はまだPBSすら起動していないんだぞ?


鬼になるかもしれないと聞いたら、誰だって躊躇するし、戦う必要がないならそれに越したことはないだろ。


「戦力が足りねぇんだ。この灯ちゃんが北軍の名鳥順一の娘だってんなら、俺は手に入れると思うね。ソウルウェポンをさ」
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