東京ルミナスピラー
日本刀を支えにして立ち上がり、PBSを開いて回復をする。


だけど、そんな想いだけではこの男に勝てないのは明白。


どうすれば、ほんの一瞬でもこの男を上回ることが出来るんだ。


そんなことを考えていた時だった。


「かはっ! はぁ……はぁ……な、なんなのよあれ! ダメ、ここに来る!? って……あんたは」


イーグルアイが解けたのか、吹雪さんが慌てた様子で辺りを見回して。


ホームレスの男を見て、眉をひそめたのだ。


「吹雪さん! 何か見付けたんですか!?」


「あ、ああ! 違う! 見付けたんじゃない! 見付かった! ここに来るよ! 黒い悪魔が!」


一体何を言っているのか、全くわからない。


黒い悪魔?


何かのたとえだとしても、もっとわかりやすく言ってくれないかな。


と、思った次の瞬間。


空から炎の塊が俺とホームレスを目掛けて降ってきたのだ。


「は、はぁっ!? 嘘だろ!?」


「避けろ葵っ!」


男に言われるまでもなく、こんなの避けないと焼け死んでしまう!


素早く横に飛び退いたけれど、その火球は屋上にぶつかり飛び散って……床を溶かし、大きな穴を空けたのだ。
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