東京ルミナスピラー
「フハハハハハハッ! 見付けた、ついに見付けたぞ! 俺が誰か覚えているか? この神にも等しい姿ではわからないか!」
火球を吐いた者の正体……それは、空に浮かぶ、黒い羽根を背中に生やした、悪魔と呼ぶに相応しい禍々しい姿の……人間?
その額には、鬼と同じ角が生えている。
「ストーカーみたいに俺を追うやつなんて、一人しか心当たりはない。随分な姿じゃないか黒井風助。とうとう人間を辞めたのか?」
……黒井?
まさかこいつ、蘭子の父親なのか?
こんなやつが蘭子の……。
東軍から逃げ出す気持ちもわかる気がする。
「これがあの黒井だっての? もう何がなんだかわかんないよ」
「吹雪さん! この男が言ってましたけど、黒井風助って誰ですか!? 蘭子の父親ですかね!?」
「黒井は……『バベル』で最後まであんたの父親と戦った、戦闘狂の男だよ。『ヴァルハラ』にもいたって話だけど、まさかこの悪魔が黒井だったとはね。それにしてもあんた! 素性を明かさずに葵と戦ってたのかい!?」
俺を飛び越して、男に対して怒り始める吹雪さん。
「……何年経っても変わりませんね、吹雪さん。相変わらずパンイチで寝てるんですか?」
「説明になってないよ! どういうことかわかるように説明しなよ! 真治!」