東京ルミナスピラー
そう考えたら、俺が杉村に怒る資格なんてないんじゃないのかと、掴んだ服を離した。


「……あーっ! くそっ! こんなの俺じゃねぇ! 俺はいつだってイケててかっこよくなきゃならねぇってのに! ピヨに舐められるなんて!」


「もう……杉村さんったら」


庇ってくれた舞美さんも、さすがに呆れたようにため息をついてるよ。


灯もどう反応すればいいかわからない様子で、苦笑いを浮かべている。


「もう開戦まで時間がねぇ! おさらいをするぞ! 俺とピヨが前衛! 敵と直接斬り合う! 灯ちゃんは無理すんな! 怖かったら適当に武器を投げてりゃいい! 舞美ちゃんには期待するからな! 俺とピヨに接近するやつ、遠くから狙ってくるやつをビシバシ殺ってくれ! 以上! 質問はあるかこんちくしょう!」


お、なんか開き直ったみたいにまともなことを言い出したぞ。


初めての聖戦で、どう戦えば良いかなんて全くわからないから何とも言えない。


ダメだったら次にまた作戦を考えれば良いだけだ。


「ありません。行きましょう。時間です」


PBSを開くと、聖戦までの残り時間10秒。




そして……俺達の最初の聖戦が始まった。
< 70 / 1,486 >

この作品をシェア

pagetop