東京ルミナスピラー
「黒井に対抗出来るような人は居るけど……秋本さんがいてくれたら心強いのに。千桜さん、秋本さんがどこにいるかわかりますか?」


「秋本さん……ですか。そう言えば名前はランキングで見るのに、姿を見ませんね。北軍に潜んでいるのでしょうか?」


宗司の父、秋本雄聖。


ハルベルトの使い手で、過去にヴァルハラで、昴は何度も敗北を喫していた。


それがこの街でも、上位にランクインするほどの実力なのだから、戦力としては申し分なかったのだが。


「なるほどなるほど、秋本さんですか。実に言い難いのですが、秋本さんは津堂さんに魂の鎖で囚われております。他にも数人、囚われている方はおられるようですが」


「どうりで姿を見ないわけですね。それにしても僕が知らない情報まで持っているとは、流石ですね!」


「本当ですよ。千桜さんでも調べられなかった情報を、一体どうやって調べてるんですか? やっぱりマスターは凄いですね」


いつの間にか二人の間で腕組みをして、何度も頷いて笑う小太りのバーコード頭の男性。


気付かれず、そこにいるのがさも当然のように自然と会話に参加している異質な能力の持ち主。


「何っ!? マスター!? 大塚さん! いつの間に!」


マスターと呼ばれる男、大塚紀久(おおつかのりひさ)がいつからか二人の間にいたのだ。
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