東京ルミナスピラー
飛び散った光の粒が集まり、まるで光の柱のように三人の頭上に形成された。


全てのハーピーを倒し、日本刀をゆっくりと鞘に納めた昴は顔を上げて、目の前で自身を見下ろす翼の生えた男を睨み付けた。


「大塚。東軍に戻れ。断るならこの場で殺すぞ」


「一体何なんですかあなたは！ 空まで飛んで！ あー……角がありますね。もしかして鬼ですか」


突如現れた男の異様な風貌に、千桜は首を傾げてその答えを探しているようだが、辿り着いたのは、葵と初めて出会った時に遭遇した鬼だった。


「黙れ。お前に話していない」


そう言って、男が左手を勢い良く千桜に向けると、先端に分銅がついた鎖が千桜さんの鼻に直撃し、そのまま頭蓋骨を貫通して頭部を破壊した。


反応する間もない。


超高速で飛び出した鎖分銅を回避することも出来ずに、千桜は顔を失い、その場に倒れて光の粒へと変化したのだ。


「冗談でしょう。沼沢(ぬまざわ)さん。あなたは自身を鬼に変えられても、それでも黒井さんに忠誠を違うのですか！」


「ああ、そうだ。俺は感謝している。お前も受け入れろ。自らの運命を」


大塚にとって、この説得は最後のチャンスだったのかもしれない。


だがそれを沼沢に否定され、反論が出来なくなり口ごもってしまった。
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