東京ルミナスピラー
一体何が起こったか、沼沢と大塚はわからなかっただろう。


沼沢の足が屋上に触れた瞬間、突然雷に撃たれたかのように音と光が轟き、沼沢が黒く焼け焦げてしまったのだから。


「す、凄い……昴、これほどまでに力を付けていたんですね! しかし、一体何が起こったのか……」


「ふふん、バーコード大塚さん。あれは結城さんの『紫電』に秘密があるんですよ。『紫電』は攻撃の時、静電気が敵に流れるんですよ。それで相手は僅かに行動が遅れるんですねー」


昴が日本刀を鞘に戻している時に、ミモザがなぜか自慢げに大塚に説明をしている。


「……なるほど。その『紫電』の静電気が沼沢さんに溜まっていて、最後の攻撃で一気に放電したということで間違いなさそうですね。それにしても凄い技じゃないですか!」


「うん、多分わかんないけどそんな感じかなー」


キンッと、日本刀を鞘に納めた昴が、フウッと息を吐きながら振り返ったその時だった。


右肩に強い衝撃が走り、身体が弾かれる衝撃が来るより先に、右肩が腕ごと千切られ、後方に吹っ飛ばされてしまったのだ。


鎖を巻いた沼沢の拳だ。


「ぐっ!」


「今のは危なかった……だが、耐えた俺の勝ちだ!」
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